天気予報を薄めで見ながら目を覚ます
起き抜けに、
あまりに美味しかったので他の味もたべたいと、
タリンのショコラショップで買っておいたショコラを3つたべる
FAUSTはピスタチオクリームにプラリネ、
MARIZAはココナッツジンジャー、
MADAME BUTTERFLYはベリークリーム

朝食の時間まで1時間ほどあったので、
散歩に出ることに

今にも雨が降り出しそうな空模様
だけどまだ、小雨にもならない霧が重たくなったようなもの
もうすぐこの空気が水を抱えきれなくなったら、
溢れ出して、雨になるんだろうな、
なんておもいながら、
昨日とは違うルートを気のままに進む

エストニアの印象を一言で表すなら、風の音
風が木を揺らして、光さえ操っているような
葉がざわめく音はなにか胸騒ぎを起こすのに、
この場所にいるときには、なぜか心地よかった
あいほんでそんな音を録音したり、
四つ葉のクローバーを探したり、
まだ青いどんぐりを拾ったりしてあそぶ

スーパーマーケットでお水を買って、
ホテルに戻る頃には、
しっかりと雨に変わっていた

朝食をとって部屋に戻り、
昨日マーケットで買ったひらぺったい桃をたべたのだけど、
とっても美味しかった
日本の桃と味はそんなに変わらず、
でも丸じゃなくて平らなので、
かじりつきやすい
ブレックファストのフルーツにも置いてあったくらいだから、
皮をむいてそのままたべられるフルーツという位置付けなのかな
日本の桃だとなかなかそうはいかない気がする

チェックアウトして、嵐の中を歩く
かなり本格的に、雨風が激しいものになっている

この小さな町でもセカンドハンドのお店は見たかったので、
歩けるだけ歩いて3軒覗いてみた
最後に見たお店で偶然見つけたのは、
わたしの生まれ年、1988年カルガリー五輪を
エストニア語で記録した本
めくってみると、やっぱり!、記念に買ってしまった

ジーンズの裾がもうぐしょぐしょで、
顔が濡れたアンパンマンのような気持ち
バスターミナルでポテトフリットをたべながら、
リーガ行きのバスを待つ

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パルヌからリーガまでのバスの中、
車窓から外を眺めていると、
木立の中に、
ウェディングドレスとタキシードを着たカップルが、
少し遠くに見えた
カメラマンと思しきひとにポーズを指示されている様子から、
ウェディングフォトなんだろうな
パルヌで降っていた雨ほどではないものの、
まだうっすら小雨が降っていて寒そう
けれど、きっと幻想的で素敵な写真になるんだろうな

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ラトビアのリーガに着いたのは15:30すぎ
パルヌはもちろん、タリンよりも人が多く、
雑多な印象
ホテルにチェックインしてすぐ街へ繰り出す

おみやげにミトンがほしいなとおもっていたのだけど、
季節が季節だからか、なかなかいいものが見つからない
秋になれば、通りで編み物をしながらそれを売るひとたちの
光景が見られたのだろうな

リーガも街の中心に大きな公園があって、
アイスクリームはもちろん、
本や黒パン(のみ!なのにたくさん)の屋台が出ていた
特設ステージもいくつかあって、
民族音楽なのか穏やかな歌声が聴こえてくる

バルトの国々と音楽、歌う革命
ここに来る前に本ですこしだけ囓ったような浅はかな知識を、
ぐっとリアルに感じる
穏やかな時間と空気の芯には、
強い気高さがあるように感じた

お腹がすいてきたので、
ラトビア料理をカジュアルにたべられるレストランへ
わたしがこの旅でどうしてもたべたかったのは、
ビーツの冷製スープ、Saltibarsciai
(写真左の、ピンクのスープ)
ビーツのスープと言えばボルシチが有名だけど、
このスープはケフィアサワークリーム?が入っているのか、
ちょっと酸っぱくて、まろやかな味
刻んだビーツたっぷりはいっていて、しゃきしゃきしておいしい
恐る恐る口にしたけど、わたしはすきだった
ボルシチもたべられたし、満足

そのあと公園にあるカフェへ
靴を脱いで上がる屋根裏部屋のような空間で、
紅茶とクッキーをたべながら、
となりの女のコたちがキャッキャするのを横目に、
ぼーっとする
このお店、秘密基地みたいでとっても気に入った

あまりにもくつろぎすぎて、
そのまま寝そうだったので、ホテルへ
バルト三国の最大都市とは聞いていたけれど、
それにしても、22時というのに人が多いなとおもっていたら、
今日はシティフェスティバルの山場だそうで、
オールナイトで出し物があるそう
リーフレットを配っていたお兄さんが
とても楽しそうでこちらまでうきうきしてしまう

ホテルのレセプションで明日のタクシーの予約をしていると、
23時から花火が上がるよ、と教えてもらう
これからまた外に出るのは億劫だなあ、と
部屋でごろごろしていると、音が
あわてて窓から外を見てみると、
ちょうど花火が見えた
今年初めて見る花火が、ここ、リーガでだなんて

雨粒のついた窓から見る花火のように、
夢のような、だけど確実にここにあることの不思議

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